2022.2.27
侵略に備えよ。
ウクライナに対するロシアの武力侵略は、ロシアがどのように理屈を並べようと武力によって他国の領土と主権を侵害する国連憲章違反の行為であり強く非難するとともに、ウクライナを全面支持することを明示した上で私見を述べます。 今回のロシアによる武力侵略を止めることができないなら、世界は再び力が支配する戦国時代に突入する可能性があります。 正義なき力は暴力、力なき正義は絵空事。 ルール(法)があっても執行力(強制力)がなければ秩序は維持できません。 国際社会がいくら非難し、経済制裁を課そうとも、自国の利益や支配の確立を優先する国に対しては無力です。ルールがあっても、違反者に強制させることができない。非難はするけれども、いずれの国も他国のために自らの軍事的リスクを高めてまで実力行使しないということが明らかになれば、明日は我が身です。 国際的な非難は聞き流し、経済制裁も乗り切れるから、この際、独自の理屈を作って日本の領土を奪おうと侵略行動に出る国がないとも限りません。 その時、世界は非難はしてくれても、日本のために核攻撃のリスクを冒して侵略国に対し実力行使して排除してくれるでしょうか。「日本はウクライナが武力で蹂躙されている時、強い非難と経済制裁は協力した。だから、日本が侵略された時も強い非難と経済制裁は協力するよ」と言ってもらったとしても、侵略を止めることができるでしょうか。 批判の多い日本国憲法ですが、9条の問題というよりもむしろ前文の思想が問題です。ウクライナに当てはめてみます。「ウクライナ国民は、平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼し、われらの安全と生存を保持しようと決意した」 この結果、どうなったか。世界には平和を愛さない国があり、また平和を愛するはずの諸国民もウクライナのために危険を冒して侵略を食い止めてはくれないという現実を突きつけられています。 日本の憲法学者の講義風に言うと「ロシアという政府を信頼するのではなく、平和を愛するロシア国民を信頼する」という理屈を主張される方がいるかもしれません。確かにロシア国民の間にも今回の暴挙に反対の意思を示し行動する方々はいらっしゃいます。今後、ロシア国内でこうした声が広がり指導者の暴挙を覆せるようになることを期待します。しかし、今現在、目の前で行われている侵略、ウクライナ国民の命が奪われる事態を実際に食い止めることはできませんでした。 今、国連憲章の解説のような出来事が現実に起こっています。 国連憲章では、紛争解決手段として武力行使を慎み、平和的手段で解決することが原則です。それでも平和に対する脅威や平和の破壊、侵略行為が起こった場合は、安全保障理事会が行動することになっています。 しかし、武力攻撃が発生した場合に安保理が必要な措置をとるまでの間は、個別的又は集団的自衛権を行使することを認めています。まさに安保理が機能しない事態を想定して、その場合の対応を定めています。つまり、安保理が機能しないこともあるから、その時は自分の身は自分で守れ(個別的自衛権)、もしくは仲間同士自分達で守れ(集団的自衛権)です。 現在、ウクライナでは軍隊そして国民がロシアの侵略と必死に戦っています。 ウクライナと日本の相違点は、ウクライナはNATOに加盟しておらず、日本は日米同盟を結んでおり、米国の抑止力の傘の下にあるという点です。ウクライナは個別的自衛権のみで、日本は片務的ですが米国の集団的自衛権の庇護を受けています。 歴史の後講釈はフェアではありませんが、ウクライナの失敗は、ブダペスト覚書において核を放棄し軍事力を大幅に削減したことそのものではなく、むしろ、自国の安全を他国に委ねる選択をしたのに、集団安全保障の枠組みに入らなかったことかもしれません。 日本の憲法に関して話をするならば、根本的な点を整理しておく必要があります。 当然のことながら、日本国憲法は、日本国の国家権力を縛ることはできますが、他国の国家権力を縛りません。 即ち、日本国憲法第9条は、日本国が他国に武力行使することを制限していますが、他国が日本国、日本国民に対して武力行使することに何の歯止めにもなっていません。 日本国憲法には他国から侵略された場合にどうするか、という視点が完全に欠落しています。あえて言うならば、「平和を愛する諸国民の公正と信義に、我らの安全と生存を委ねる」という発想です。それで守れるかはウクライナの現実が示しているとおりです。 9条が単に他国を武力で侵略しない、侵略のための実力組織は持たないと読むのあればその発想は踏襲すれば良いでしょう。しかし、他国の侵略から自国を守る力を持ってはいけないというなら間違いです。日本国民の安全と生存に関わる根本的な方針であり、欠落している、あるいは解釈が分かれるのであれば明確にしておく必要があります。そこに我が国を守る実力組織の保持を明記する意義があると考えます。 加えて申し上げるならば、自衛のための「必要最小限度」の実力組織ではなく、我が国を守るために「必要な」抑止力を持つ、とすべきと考えます。その趣旨は、憲法13条が「生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利は(中略)立法その他国政の上で、最大の尊重を必要とする」からです。 右か左かというイデオロギー論争ではなく、現実の脅威から国民の生命、平和な暮らしを守るのは共通の課題のはずです。 一刻も早いウクライナの解放を願うとともに、この事案から得られる様々な教訓を活かし、我が国の守りを強化するよう努めてまいります。
2022.2.24
ロシアによるウクライナに対する武力侵攻が開始され大きく報じられていますが、その陰で我が国にとって非常に重大な事案、中国当局による在中国日本大使館員の身柄拘束が行われました。
ここ数日、毎日のように外交部会が開催されウクライナ情勢についての説明を受けていますが、早速、今朝の外交部会で議題を追加して報告を受けました。 外交官の不逮捕など身体の不可侵や大使館の不可侵を保証するウイーン条約の明確な違反ですが、それでも中国側は独自の主張をしています。 中国の国内法がどうとか関係ありません。「合意は守らなければならない(Pacta sunt servanda)」は国際法の根本原則です。 条約を締結しても守らない、国際約束よりも独自の主張を優先する。ロシアにせよ中国にせよ、そういう国が国連安全保障理事会の常任理事国となっているのが現代の国連体制です。 大使館員拘束事案と併せ、中国における邦人拘束の現状についても報告を受けました。2015年5月以降、16人の日本人が拘束され、8名が既に帰国、5名が服役中、1名が公判中、1名が拘束中(起訴前)、1名が先日服役中にお亡くなりになりました。 政府においては邦人保護の観点から早期解放に注力すべきですが、中国を訪れる方も、中国とはそういう国だという認識を持つ必要があります。
2022.2.22
2月22日は竹島の日
昨年、政府広報オンラインのTwitterアカウントで2月22日を「猫の日」として紹介する一方で「竹島の日」については言及がなかったことから、直後の予算委員会分科会で採り上げました。 領土・主権展示館のアカウント@ryodoshukenでは紹介をしているということでしたが、政府広報アカウント@gov_onlineの方が圧倒的にフォロワー数も多く、領土・主権という国家の基本に関わることなので、政府広報アカウントでも発信するよう要請しました。 念のため、今年の投稿を確認したところ、領土・主権展示館のアカウントで竹島について我が国固有の領土であると投稿したものを内閣府政府広報オンラインでリツイートしているだけでした。 まぁリツイートでも紹介するだけ改善したとはいえ、政府あげて竹島を取り返そうという気迫にかけます。不法占拠している韓国の方が国をあげて必死に広報・教育に力を入れています。 島根県が条例で定めているだけの「竹島の日」を国として制定し、竹島を取り返す式典を政府主催で開催するよう求めてまいります。
2022.2.10
今国会に提出を予定している経済安全保障推進法案に関し、政府より概要の説明を受け質疑・意見交換を行いました。
安全保障、国の独立と存続、国民の平和で安全な暮らしを守るというためには、軍事的攻撃など物理的な脅威から守る防衛力が必要ですが、それだけではありません。 食料、エネルギーはもちろんながら、生活物資、生産に必要な材料や部品の確保、さらには電力、通信、金融といった基幹インフラの機能維持など、経済的側面は切り離せません。国の安全保障を経済の側面でも確保していくというのが経済安全保障の考え方です。 言葉としては新しいですが、実は、この重要性は今に始まったことではありません。補給路(兵站)を断つ、相手領内の経済を混乱させるという手法は洋の東西を問わず常に用いられてきました。 ところが、戦後、平和であることが当たり前の前提となっていて、経済活動を損益や成長率という視点ではとらえても、安全保障(=国の存立)という視点ではそれほど意識してこなかったのではないでしょうか。 コロナ禍の中、マスクや消毒液など国民の生命・健康に直結する物資が調達できない事態が現実に発生するとか、半導体部品の輸入が滞ることで日本が誇る自動車産業の工場が生産停止に追い込まれる事態も発生しました。 今般、あらためて経済活動を安全保障の観点から見直しを行い、過度に外国に依存している脆弱性を補強する(戦略的自律性の確保)とともに、日本の競争優位性を高めて世界に不可欠な存在となる(戦略的不可欠性の確立)ことを目指すこととしました。 今般、四つの分野について法律上の手当てを行います。 1.重要物資の安定的な供給の確保 2.基幹インフラ役務の安定的な供給の確保 3.先端的な重要技術の開発支援 4.特許の非公開 党内で更に法案審査を行い、国会提出、成立に向けて政府と連携して取り組んで参ります。
2022.2.4
ここ数日事務局長シリーズが続いています。
自民党外交部会の下に対韓国政策検討ワーキングチーム(W T)が設置され、私は領土に関する特別委員会の事務局長という関係から、本WTの事務局長を仰せつかっております。 本日は、対韓国政策検討WTと領土特別委員会の合同会議を開催し、竹島問題研究の第一人者である島根県立大学客員教授、下條正男先生をお招きして「日韓の歴史問題を克服するための方策について」と題してお話を伺い、質疑・意見交換させていただきました。
2022.2.2
党の障害児者問題調査会の事務局長を仰せつかっています。
障害者総合支援法・児童福祉法改正法施行後3年の見直しにあたり、障害児者関係団体よりヒアリング。 リモートを含め、昨日・今日と各14団体、2日間で計28の団体よりご要望を承りました。 |